“アフリカのロシアファンへのご挨拶:ロシア・アフリカフォーラム”

“アフリカのロシアファンへのご挨拶:ロシア・アフリカフォーラム”

"親愛なるアフリカの友人の皆様、そしてロシアを愛する皆様へ"

アフリカがロシアとの深い絆を現在の厳しい状況下でも維持し、忘れずにいることは、本当に感動的です。しかし、歴史や政治を通して見ると、国と国との友情とは、単なる情感にとどまらず、地政学的、思想的、経済的な要素も含んでいます。
ここで、ロシアとアフリカの友好関係が最も大きな成果をもたらす可能性を秘めている、アフリカが直面している重要な問題と将来の展望について、私なりの見解を述べさせていただきます。

1. 多極世界を築くために

我々の目の前で、西洋の覇権が終焉を迎えようとしている一方で、全く独立し、自らの主権をしっかりと保持した新たな勢力が台頭してきています。その中には、既にその地位を固めたロシアと中国が存在し、インドやイスラム圏の国々、そしてラテンアメリカもまた、世界の主流となる勢力として、独立した存在としての地位を強化しつつあります。これら全ての勢力は一極支配を否定し、多極世界を求めています。
そして、その中でアフリカという、人的、自然的、文化的、経済的な無尽蔵な富を秘めた広大な大陸は、独立した極となるべき存在です。これが、アフリカが直面する重要な課題であり、多極化する世界の中での本格的な勢力としての地位を確立することが求められています。そしてそのプロセスを積極的に推進しているロシアは、あらゆる方法でアフリカを支援する意欲に満ちています。

2. 多極世界における極としてのアフリカ・その役割

アフリカに存在するどの国も、自身だけでそのような極になるほどの規模は有していません。多極世界の一翼を担うためには、汎アフリカ・プロジェクトを新たな段階で再起動することが不可欠です。その結果、各々の潜在力を結集したときのみ、アフリカの人々と各国は完全な主権と独立を得ることができます。今日、過去以上に、植民地後の国境を超えて人々を結束させる汎アフリカの理念が、命がけで求められています。そして、その点で、自らがユーラシア統合の道を進むロシアは、可能な限りの協力を申し出ています。

3.非植民地化と、アフリカに根差す意識の探求

かつての西洋の植民地主義者から独立を勝ち取った昨日のアフリカ諸国は、恥ずべき隷属と奴隷の時代の多くの特徴を保持し続けています。アフリカ諸国の世界観、科学的な考え方、哲学、文化は、今なおヨーロッパの社会を指向しています。これが、かつての支配者や奴隷主が、かつての植民地を統治し続け、また、自分たちの社会の病と問題をアフリカに輸出し続ける方法です。軍事的・政治的な植民地化は過去のものとなりましたが、アフリカ諸国の西洋に対する文化的・技術的・地政学的依存は依然として続き、場合によってはさらに増大しています。今やこの目的のために新たな手段が使われています。それは経済的な賄賂、ネットワーク構造(投機家であり国際テロリストのジョージ・ソロスが作り上げたようなもの)、そして技術的依存です。今こそアフリカ人民の解放闘争を新たなステージに進める時です。そしてその最前線には、伝統的な価値観への回帰、先住アフリカ人民の文化と習慣への回帰が求められています。これは、ケミ・セバ、ムボンボグ・バソン、フランクリン・ニャムシといった、原始的なアフリカのロゴスを防衛する鮮やかな人物たちの闘いにおいて最も鮮明に見ることができます。そして、今、ロシアは西洋文明と鮮烈に決別し、自身のロシア的ロゴスを積極的に模索していることも、これと同様の事情といえるでしょう。

4. 第四政治理論

植民地的な既定概念からの解放は、アフリカの政治に直接的な影響を及ぼしています。白人の植民地主義者たちは、形だけは直接的な支配から退いたものの、その政治哲学の遺産を保存し、これがアフリカ各国の自由な政治発展の道を阻んできました。その結果、脱植民地化が進んだ後も、アフリカの国々は自由主義、社会主義、ナショナリズムといった近代西洋の政治思想のいずれかを採用することで、植民地主義者の軌道を引き続き辿ってきました。そしてそのいずれの思想も、アフリカの政治体制を停滞させ、危機と混乱を引き起こしました。実のところ、これら三つの政治思想は新しい政治環境における外部支配のレバーとなっています。この状況を打破するためには、自由主義、社会主義、ナショナリズムを超えた、第四政治理論へと目を向けるべきです。私の著書『第四政治理論』が西アフリカの知識人たちによって積極的に研究されていること、また東アフリカやアフリカの各地域の知識人たちが最近ソマリ語に翻訳したことを私は大変喜んでいます。現在では、ソマリア、ジブチ、エチオピア、ケニア、ウガンダの多くの読者に利用可能となっています。

私の見解としては、これら四つの分野を強調することが、ロシアとアフリカとの関係をより深化させる一途となると考えています。経済的なパートナーシップ、安全保障と武器の領域での協力、天然資源に関する共同戦略はもちろん極めて重要ですが、これらの方向性は、当フォーラムで専門家や関係者たちが多く語るであろう内容を、より深い、根本的な文明間の協力の文脈に統合すべきであると思います。

皆さん、最後までお聴きいただきありがとうございました。私はこのフォーラムが歴史的な出来事となることを期待しています。それは、このフォーラムがはロシアとアフリカという二つの主権を持つ特異な文明間のパートナーシップの基盤を築くことになるからです。

 

翻訳:林田一博