「ボランティアの為のドローンイデオロギー」

ロシアにおけるイデオロギーの現状について述べると、以下のような状況が見て取れます。国家は2000年以降24年間に渡り、いくつかの政権を経て急進的なリベラル派の排除に努めてきました。リベラル派のイデオロギーへの影響力は徐々に減少しているものの、文化、教育、科学の分野では依然として大きな影響を持っています。このようにしてリベラリズムとの戦いが不確かで長期に渡る原因は、リベラル派そのものか、あるいは上層部から明確で具体的な指示を受けていない者たちによるものです。

同様に愛国主義の増加も着実に進んでいるものの、それは同じく緩やかで、時には1年以上も停滞することがあります。これはクリミア併合やSMO(特別軍事作戦)によって求められましたが、当局はリベラリズムの解体と同様に、慎重かつ不確かな手法で対応しています。

しかし、新たな人材の育成が必要とされるなか、純粋なボランティア、イデオロギカル・ドローン、管理職ドローンなど、特別なタイプの育成が主要な方針となりました。そうして、イデオロギー的に中立な政治家たちが、権力や経営的な縦割りを志向するようになりました。

最初は彼らにイデオロギーのシミュラクラを植え付けようとしましたが、その後それは放棄されました。若い世代およびそれほど若くない世代の権力への志願者を大量に訓練することで、全く新しい経営層が誕生しました。この現象は、コンピューターや人工知能が機能する方法と似ています。オペレーターがどのようなデータをロードし、どのような命令を出しても、コンピューターが推論することはありません。重要なのは、アルゴリズムが適切に機能することです。

しかし、この原理がイデオロギーにも適用された時、そこではこのモデルがすでに奇妙に映ります。イデオロギーゼロを持つイデオロギー階級、政治的ドローンが出現しました。これらは既にリベラル(マイナス・イデオロギー)ではないものの、まだ愛国的(プラス・イデオロギー)にもなっていません。

志願者たち、つまりイデオロギーゼロの担い手は現在、産業規模で育成されています。これは彼らがリベラルではないという意味で半分は良いことですが、愛国者でもないという意味で半分は問題があります。SMOや西側との長期戦(これは永続する可能性があります)は、意義ある愛国主義イデオロギーへの焦点をさらに迅速に移すことを要求しています。イデオロギーゼロの担い手は、愛国的プログラムを処理するための理想的な無人機となり得ますが、そのためには「エンター」キーを押す必要があります。しかし、操作者の手は震えています。そして、現在、権力側の志願者たちは手持ちのものを処理しています。今は—試験場であり実験室です。しかし、プログラムの実行を始める時が来ています。

その一方で、社会と国民の間では、明確な愛国的内容を持つ別のネットワークが徐々に形成されています。これらはイデオロギーゼロの志願者ではなく、プラス志願者、即ち自発的な志願者や前線および後方の英雄たちです。国は彼らに支えられています。彼らは勝利を創造し、それによって歴史を創造しています。彼らを動かすのは精神です。

イデオロギーゼロの志願者たちは愛国者に対して何も持っておらず、彼らを支持することもありません。彼らには別のアルゴリズムがあります。今こそ、これらのネットワークを統合する時です。

選挙後に権力が「エンター」キーを押す事によって、社会に完全な愛国的プログラムがロードされることを期待します。プラスイデオロギーと、愛国心の基盤は大統領によって明確に示され、伝統的価値観に関する指令、外交政策の概念などを通じて概説されています。選挙後にその実施が本格的に始まることは理にかなっていると言えます。

結論として、私たちに"勝利を手にする時"が来たのです。

翻訳:林田一博