「上からの革命は下からの革命を防ぐことができる。」

クリミア橋に対する新たな攻撃について語るとき、敵が示す一途な固執さを忘れてはなりません。それは"マロロシア人"の顕著な特性であり、今回はそれが不気味に映ります。
2014年からドネツクへの砲撃が始まり、一日たりとも休止することはありませんでした。
彼らはベルゴロド、クルスク、ブリャンスクといった古ロシア地域の領土を攻撃し、今もなおその行為を続けています。
テロ攻撃によるロシア人への暴力は開始され、その暴行は再三にわたり繰り返されています。

また、核施設への攻撃も何度も行われ、絶えることはありません。

クリミア橋に対する行為も同様で、狂乱化した国民と狂気に満ちた政権とともにウクライナが存続している限り、彼らの行動に何らかの変化が見られると考えるのは、単なる幻想であり無責任な行為と言えます。私ドゥーギンの見解としては、ロシアにおける平和な生活のシミュレーションは終わりにすべきで、選挙を一旦延期（我々はすでにプーチンを選んでいますが、他の候補者は考慮外です）し、全面的な動員へと移行するべきだと思います。

人事異動は避けられない運命で、その実行を遅らせることは自滅への道となります。私たちは究極の狂気で、攻撃的で無理解な敵と戦っています。その背後には、西側の国々が控えています。狂気は治療不能です。
何度も何度も、我々は根源的な問題に立ち返らなければなりません。

ソ連の崩壊を仕組み、実行したのは誰か？

その崩壊を喝采し、利用したのは誰か？

これら全ての人々は、私たちがすでに経験している、そして実際には始まったばかりの大惨事に対して責任を負っています。現在のロシアのエリートは90年代に形成されました。彼らは歴史的な犯罪者の一団です。

リベラリズムはロシアに対する犯罪行為です。プーチンはその状況を変え始めましたが、SWOを含む23年間で、リベラリストの約5パーセントが逃亡し、0.000001パーセントが罰せられたり、強制的に追放されたりしました。さらに約15パーセントが自分の視点を愛国的なものに変えました（本心からか、状況からかは重要ではありません）。残りのリベラリスト（共犯者）は未だに役職に留まっています。そして今、彼らは力を尽くして国が軍事的に移行する過程を阻んでおり、愛国的な改革と文明の復活を遅らせているのです。

ゴルバチョフとエリツィンは、国民やロシアの歴史から長らく呪いを受けています。しかし、それらの存在はまだエリート層にとっては呪われていません。ペレストロイカや90年代の改革は、一般国民や歴史的な視点から見れば裏切りであり災難ですが、エリートにとっては「黄金の時代」であり、「個人的成功の始まり」と見られています。私たちは現在、1991年、ゴルバチョフ、エリツィン、そして特にロシア自身で強化された反ロシアと壮絶な戦いを繰り広げています。
もしロシアの反ロシアが存在しなければ、ウクライナや他のポスト・ソビエトの国々における反ロシア、そしてプガチョフやガルキンのような芸能界の反ロシア、さらにはモスクワ市民にスカルプを剥ぎ取る移民による反ロシアといった現象は生まれていなかったでしょう。

大災害を引き起こした原因を取り除かずして、その結果を克服することは不可能です。そしてもう一つ、ロシアで起こっている事態は「潜在的な内戦」と言えないでしょうか？

一方には国民と軍隊があり、これは動員されるとほぼ同一の存在となります。一方、自由主義的なエリート層は、愛国的な方向への更なる進展に対して執拗に反対し続けています。

そして、唯一、プーチンが個人的に介入し、この状況が潜在的な段階から公然とした段階に移行するのを防いでいるのです。

ワグナーの反乱、それ自体が示していないでしょうか？その反乱を鎮火できたのはプーチンだけでした。彼は内戦の防止措置であり、民衆からも天の意志からも、そして摂理からも正当性を認められています。しかし、まだ存在するリベラルなエリートたちはそうではありません。彼らはどの視点から見ても正当性を持っていません。

NWO（新世界秩序）の始まりは、私たちの歴史への高次元からのパラボリックな侵入の瞬間だったのです。なぜなら、ロシア人民は本来、未来へと向かう存在として、反キリストの文明との最終戦争のために創り出されていたからです。その戦争は今、この瞬間に始まっています。

戦いの最前線に立つプーチンが、民衆や前線を犠牲にすることはありえません。エリートを犠牲にしたくないのです。

しかしながら、理論的には新たなエリートを作り出すことは可能で、そのプロセスは速く進むことも可能です。一方、新しい民衆を創造することは定義上不可能であり、90年代のリベラルたちはこれについて真剣に考え、既存の民衆を少しずつ排除し、堕落させていきました。

内戦には逃れられないロジックが存在します。上からの革命が、下からの革命を防ぐことができます。そして、上からの革命は創造的な力を持つ一方、下からの革命はすべてを最終的に崩壊させるでしょう。しかし、その原因を作り出すのは、社会から疎外され、搾取的で無責任な視野の狭さを持つエリートたちの政策です。

状況は次第に切迫してきています。上からの革命か、それとも内戦か、それが問われています。
厳しく行動するということは、即座に核攻撃を仕掛けるという意味ではありません。まだ取り組んでいない他の手段も試すべきです。

具体的な行動としては以下のような選択肢が考えられます。

⚫️国の重要なポストから敵の機関を一掃し、

⚫️人事の大幅な変更を行い、

⚫️社会全体の本格的な動員を開始し、

⚫️「私たちは騙された」という言葉を止めるべきです。信じている者だけが騙されます、だから西側を信じること自体が既に犯罪となります。この議論は単に排除すべきです。

⚫️そして国内の平和を解消し、

⚫️戦争を宣言するという決断を下すべきです。

「非常事態（エルンストフォール）」とは何でしょうか？それは平和な時代とその規範が終わり、非平和な時代が始まることを指します。これは新たな地域やベルゴロド州の住民だけでなく、全ての人々に関係します。非平和な時代には、緊急事態の規則が適用されます。危険が国や社会全体、国家全体を脅かすのであれば、その危険を打ち打つためには全ての手段が許されます。

そして、これら全て（まだ始まってすらいないけれども）が不十分である場合のみ、敵への核攻撃の可能性を検討すべきです。

キエフ政権が恐れているのは、まさにこれです。私たちは無意味な騒ぎをやめ、通常の手段で本格的に戦争を始めるのです。その場合、彼らの政権は崩壊します。そうなるために、西側はあらゆる手段でロシアのリベラル派――つまり西側の工作員――を利用し、自覚的な「非常事態」の中での全面的な動員を始めることを遅らせ、私たちを極端なシナリオへと押し込もうと挑発しているのです。そして、最後の瞬間になって結果を恐れて一歩手前で立ち止まるように仕向けています。

真の主権を有する者は、非常事態という状況の中でのみ明らかになります。非常事態を宣言し、その状況下で決定を下す者、それも法律よりも自身の意志と知性を頼りに行動する者こそが主権者なのです。主体という存在は、非常事態の中でのみ生まれます。それ以外の状況下では、その存在は「仮の主体」（主体であるのか、あるいは客体であるのか）となり、非常事態こそが全てを適切な位置に納める事が出来ると言う事なのです。

翻訳：林田一博